一酸化炭素
一酸化炭素が引きおこす体力低下
一酸化炭素はタバコの葉が不完全燃焼を起こすことによって生じる有毒物質です。
一酸化炭素は血液中に取り込まれると、酸素の200倍以上の力で赤血球(ヘモグロビン)と結合します。
酸素は血液中のヘモグロビンによって体全体に運ばれているため、一酸化炭素は結果的に酸素が全身に行きわたるのを阻害します。タバコを吸うと一酸化炭素により全身が酸欠状態になるのです。
その結果、運動能力は著しく低下し、持続的な運動ができなくなります。
タバコを吸う人の体はニコチンと一酸化炭素により慢性的な酸素不足に陥っています。
自殺に使われる猛毒
近頃は七輪や練炭などを用いた集団自殺がよく起こりますが、あの死亡原因がまさにこの一酸化炭素による中毒死です。
一酸化炭素を大量に取り込んだために酸素欠乏症になり、死に至ったのです。
一酸化炭素は無色、無臭、無刺激で、その存在には容易に気づきません。
「息苦しさは」は血液中の二酸化炭素濃度によって引き起こされるので、一酸化炭素で酸欠状態となっても私たちは息苦しさを感じることもありません。
しかしタバコを吸うことで私たちは自ら、
敢えて一酸化炭素という凄まじい毒物を取り込んでいます。
一酸化炭素による害
1.動脈硬化と心筋梗塞の危険性
一酸化炭素は悪玉コレステロールを酸化させ、血管を内側から傷つけます。
血管の内皮細胞が、酸化コレステロールを取り込むことで、その結果、白血球がその周辺で死滅し、血管の内腔が狭くなり血管が詰まりやすい状態になるのです。
喫煙者の心臓や血管は高血圧になり、心拍数も増加しているため、一酸化炭素のダメージをより多く受けます。
ボロボロになった血管や心臓が動脈硬化や心筋梗塞を引きおこすのです。
2.体力低下と慢性的な不調
その他にもタバコを吸っていると一酸化炭素の害により次のような症状が現れます。
- しびれ
- 頭痛
- めまい
- 動悸
- 倦怠感
タバコを吸う方でであればわかると思いますが、これらの症状は喫煙者なら慢性的に出ているものです。
吸い過ぎで気持ち悪くなったり、吐き気がするのも、一酸化炭素濃度が高まるためです。